最近、ニュースを見れば大規模な山火事の話題ばかり。特に2025年の大船渡山火事のように、何日も燃え続け、黒煙が立ち上る映像を見ると、「昔はこんなことなかったのでは?」と感じる人も多いでしょう。実際のところ、山火事は昔から多かったのか、それとも何かおかしな点があるのか、深掘りしてみました。
山火事は昔からあったのか?
山火事は自然現象として太古から存在しています。例えば、オーストラリアのユーカリ林は油分が多く燃えやすいため、定期的な火災が新しい芽を育てるサイクルを形成していました。また、北米の先住民も土地管理のために意図的に火を使っていた記録があります。
日本でも、平安時代の文献には異常気象や火災の記述があり、「山火事が特別珍しいものではなかった」時代もありました。しかし、近代に入り状況は変化。都市開発が進み森林が減少する一方で、火災を過度に抑えたために枯れ木が蓄積し、一度火がつくと止まらない「巨大火災」が増加しました。
アメリカの National Interagency Fire Center のデータによると、1980年代から焼失面積が倍増しています。2025年の大船渡山火事で 2,900ヘクタール が焼失したことを考えると、昔では考えられない規模です。さらに、火災の頻度も増加しており、地球全体での山火事発生件数が急増していることが報告されています。
「何日も燃える」のは異常なのか?
「山火事が何日も燃え続けるなんておかしい」と感じるのは当然です。確かに、乾燥と強風が揃えば、自然火災でも数日間燃えることはあります。しかし、大船渡山火事のように 2週間以上 燃え続け、鎮火の見込みが立たないのは異例の事態です。
ニュースでは 「市の9%が焼失」「住民の14%が避難」 という報道もありました。これだけの規模になると、「自然火災だけが原因なのか?」と疑問を持つのも無理はありません。また、近年では山火事の後に大規模な土砂災害が発生するケースも増えており、山火事による二次災害のリスクが高まっています。
大船渡とスマートシティの関係
ここで気になるのが、大船渡とスマートシティの関係です。大船渡市は、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた地域であり、その後の復興プロセスの中でデジタル技術を活用したまちづくりが進められています。2024年2月には国の「デジタル田園都市国家構想」に沿ったデジタル化計画が公表され、人口減少の抑制や住民生活の利便性向上、新たな仕事の創出を目的とした取り組みが行われています。
これが政府や国土交通省、内閣府が定める正式な「スマートシティ候補地」に該当するかどうかは、公開情報からは明確に確認できません。しかし、SNS上では「大船渡がスマートシティ化されるために火災が意図的に起こされたのでは?」という陰謀論が拡散しました。「スマートシティ化のために土地を焼き払っている」「レーザー兵器が使われた」といった主張が飛び交い、これが760万回以上閲覧されたとNHKが報じています。しかし、警察の調査では火災の原因は作業小屋からの出火とみられており、陰謀を示す証拠は一切見つかっていません。
能登は?
能登半島でも、スマートシティに関連する取り組みが一部で進められています。例えば、石川県加賀市や珠洲市、中能登町などではデジタル技術を活用したまちづくりが推進されており、国の「デジタル田園都市国家構想」や「SDGs未来都市」に基づく計画と関連しています。特に珠洲市は2018年にSDGs未来都市に選定され、「能登SDGsラボ」や自動運転の実証実験など、スマートシティ的要素を含むプロジェクトが進められてきました。
しかし、能登全体が国の公式な「スマートシティ候補地」に指定されているという明確な証拠はなく、国土交通省のスマートシティ事業リスト(2021年時点)には能登地域が明記されていません。一方で、2024年の能登半島地震後、「スマートシティ化のために地震が利用されている」「土地強奪の陰謀だ」といった憶測がSNSで広がりました。人工地震説や意図的な復興遅延を主張する声もありましたが、警察や気象庁の調査では地震が自然発生である可能性が高く、陰謀を裏付ける具体的な証拠は確認されていません。
結論として、大船渡や能登ではデジタル技術を活用した都市開発が進められていますが、それが公式な「スマートシティ候補地」として認定されているかは定かではありません。また、山火事や地震との関連については陰謀論が広がっているものの、客観的な証拠はなく、むしろ自然災害や地域の構造的課題が現実的な要因と考えられます。より確実な判断には、公式発表やスマートシティ関連の詳細な資料を確認することが必要です。
では、本当の原因は?
確かに、大規模山火事は増えています。しかし、「気候変動」だけが原因とは言い切れません。逆に「すべて放火だ」と決めつけるのも、証拠がない以上、無理があります。
真相は 乾燥・強風などの自然条件、人間の管理ミス、放火や不審火などの要素が絡み合っている のかもしれません。大船渡のケースでも、「たき火」だけで 2,900ヘクタール も燃え広がるのか?という疑問は残ります。
結局、私たちが知りたいのは 「なぜ最近、山火事が増えているのか?」という具体的な答え です。「気候変動」という曖昧な説明に頼らず、現場のデータや証拠をしっかり見ていく必要があります。
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